佐那河内村は、四国徳島県にある村で、徳島県唯一の村です。人口約2400人。近隣の神山町や上勝町は、もう少し前から知名度があり、知っている方も多いと思いますが、その両方に隣接する村です。私たちも、最初、神山町、上勝町を訪れ、佐那河内村は、その後で知ったのでした。私たちが、佐那河内に決めた経緯と理由は、次のような感じです。

神山町は、知る人ぞ知る、IT誘致で町おこしを成功させた町として知られています。ここを訪れた私たちは、自分達がやろうとしていることとは、少し方向が違うなと感じていました。実際、現地の人たちと話をして、5Gの導入や、大型発電風車を立てたことなどを危惧している人もいましたが、やはりハイテク思考のイメージをどうしても持ってしまいます。片や、上勝町は、どちらかと言えば、私たちの思想に近いかも。元々、「いろどり」と呼ばれる、紅葉樹の葉っぱを、料理屋向けの飾りとして、地元のおばさんたちが売り出したことが成功して有名になった町ですが、その後、ゼロウェイストの町ぐるみのゴミ処理システムを導入したことで一気に有名になりました。ただ、私たちがやろうとしていることには、少し気候が厳しい気がしました。そんな中、知ったのが、佐那河内村の存在です。

佐那河内村は、神山町、上勝町の間にあり、徳島市に一番近い位置にあります。徳島市の中心まで、車で30分。便利な反面、他の町村ほど、危機感が高くないのか、あまり、積極的に移住を進めている感じは、ありません。神山や上勝は、私たちには、やや東京ナイズされた感があるのですが、そういう意味では、私たちには良かったかも知れません。佐那河内が、今後、東京ブランディングに侵されないことを望みます。(これについては、いつか改めて、「これからの日本における村の役割」というようなタイトルで書いてみたいと思っています。)

そのほか、いろんな人からの情報で、水が美味しいとか、林業に力を入れなかったため、自然の山林が保たれているとか、山が低く、谷が深くないなど、自然に関しては、いい面が多くありそうです。また、怪しい話(笑)としては、邪馬台国が、この周辺にあったという邪馬台国四国起源説も面白いし、空海好きな私としては、空海のふるさとである四国には、興味を惹かれます。

しかし、何より大きな力となるのは、人との縁ではないでしょうか。私たちが最初に佐那河内で出会ったタケモリくんによって、私たちの縁は、ガラッと音を立てて動き出しました。まるで蜘蛛の巣のようにつながる赤い糸。彼自身も、なぜ佐那河内に惹かれるのかわからないと言ってますが、次から次と出会う人は、自然や暮らしを大切にする「有機的」な人たち。この人たちと何かできるのではないかという予感のようなものが、私たちを動かしたような気がします。多可町でも素晴らしい人の縁を頂いたのですが、この町は、私たちには、ちょっと大きいのかも。長くなりそうなので、今回は、ここまで。私たちもまだ、佐那河内村のことはよく知らないので、今後、時間をかけて、皆さんにお伝えしていこうと思います。