やがて来るというか、もう来ているというか、AI(人工知能)の時代が来ます。もう、すでにChatGPTやその他のAIを使っている人も多いと思います。私は、使わないようにしています。それでも、スマホやPCを使ってると、気がつかないうちに使わされてたりするのですが。
さて、今まで人間がやっていたことの多くが、これからAIに取って代わられます。シンギュラリティといって、AIが人間の知能を超える転換点は、今の所、2045年頃と言われていますが、おそらくそれより早くなるはずです。私たちが、NZに移住をした1991年には、ケータイもインターネットもありませんでした。30年間の移住生活の後、日本に戻った今、手元にあるスマホだけで、ほぼ全てのことができそうなところまで来ています。今までのたった30年でこの変化ですから、今からの30年は、飛躍的に進化のスピードは、アップします。
日本を出た頃の少し前に、昭和が終わりました。昭和が終わって、平成・令和となって、私たちが大きく変わったと思えることがあります。たくさんありますが、その中で、一番大きくて重要だと思うのが、人のコミュニケーション力です。今までにも書いていますが、ニュージーランドは、世界でもトップクラスのコミュニケーション力を持った国民だと思います。その国から見たら、日本人のコミュニケーション力は、極めて低い。若い人たちのコミュニケーション力低下は、それ以上です。
今、日本の若い人たちは、文章も読めなくなっています。もちろん、声をあげて読むことはできるし、出てくる単語を瞬時に読み取る力は、あるのですが、文章の意味を理解できないのです。同じ単語を使って、全く逆の意味を持つ文章を書いても、その違いを理解できない、ということになります。ましてや、コミュニケーションをや、です。コミュニケーションは、会話や対話とも違います。この写真にある本を書いた山極寿一さんは、ゴリラの研究でお馴染みで、これらの本に書かれているのは、人間のコミュニケーション力は、ゴリラ以下になったということです。コミュニケーションは、お互いの心の交換ですから、いくら流暢に話ができる人でも、コミュニケーション力があるとは限りません。まあ、我が国の総理大臣のコミュニケーション力が、世界でも最低クラスですから、国民もしかりなのかも知れません。
これからは、AIが全部やってくれるので、知識は、大きな問題ではありません。AIにできないのは、コミュニケーションです。いや、AIにもできるでしょ、と思っている人は、コミュニケーションが何かをわかっていない人です。そんな時代、これからのAI時代の「人間」を育成しようという学校が、神山町にあることは、私たちも誇りにしていいと思います。それなら、大人のコミュニケーションは、誰が養うのか、ということになりますね。